SMAPが2016年12月31日をもって解散するとのニュース速報が8月14日未明、NHKの「リオ五輪」中継中のテロップで伝えられ、騒然となった。
1月に持ち上がった彼らの“解散・分裂騒動”が現実となった形で、メンバー内に生じた亀裂が修復不可能であることをうかがわせる一方で、ジャニーズ事務所が公表したお知らせの言い回しや、解散決定に至る経緯には疑問も垣間見えるのだが…?
※CDデビュー25周年、冠番組「スマスマ」20周年の節目に激震。
SMAPの年内解散が、意表のタイミングで報じられた。
時は2016年8月14日の深夜1時18分頃(情報元:日刊スポーツ)、NHKのニュース速報としてテロップで伝えられたものだが、この時間帯は「リオデジャネイロ五輪」の男子テニス・準決勝「錦織圭×アンディ・マリー」戦の真っ直中であり、錦織は勝てば決勝進出(五輪の男子テニス史上、96年ぶりのメダルが確定)という大一番でもあっただけに、ビッグニュースとはいえ観戦していた視聴者もビックリだったかも(ちなみに当方もリアルタイムで観ており、SMAP解散の速報直後にチャンネルを回してみたが、他で触れている局はなかったように思う)。
実は“SMAPの解散説”はその数時間前にあたる8月13日夕方付の情報サイト「サイゾーウーマン」が「SMAP、明日14日に「解散」発表!歴史に幕を下ろす」と題した記事で示唆しており、同記事における「解散を選択」したという点においては事実だったことを考えると、ジャニーズ事務所がSMAPの解散を決定し、発表するまでの間に何らかの形で各マスコミに情報が漏れつつあったものとも推察できる。
だがジャニーズ事務所にとってこのタイミングでの発表が、予定通りだったことも想像に難くない。
というのも8月14日は日曜日であり、テレビでは生放送のワイドショー関連番組がほとんどなく、さらにお盆の時期とも重なるため週刊誌などの芸能マスコミも合併号などを出版し一週休みになっている媒体が少なくないため(要は記者さんたちもお盆休み)、追究されにくい日としてはピッタリだったからだ。
これらについては大人の事情もあったと思われるが、上記のテレビ速報とほぼ同時刻にジャニーズ事務所の公式サイト上に掲載されたと思われる「「SMAP」グループ活動についてのお知らせ」と題した解散発表の言い回しについては、若干の違和感を覚えるところもある。
まずはこの全文を見てみる。
(以下引用)
SMAPを応援してくださる皆様へ
「SMAP」グループ活動についてのお知らせ
いつもSMAPに温かいご声援を頂き、誠に有難うございます。
デビューより25年間アーティストとしてグループ活動をして参りましたSMAPは2016年12月31日を持ちまして解散させていただくことになりました。
本年1月にSMAPメンバーより事務所に残りグループ活動を存続させたいという意向を受け、事務所一丸となってSMAPをサポートするべく各部署で様々な準備を進め、2月より8月10日までの半年以上の時間をかけて個々のメンバー並びに全員と面談を重ね、例年通りの音楽番組への出演、ファンの皆様への感謝をこめたコンサートの開催、更には冠番組の20周年とCDデビュー25周年を記念したイベントの企画等を提案し、協議を進めて参りました。しかしながら、議論を続ける中で「今の5人の状況ではグループ活動をすることは難しい」というメンバー数名からの要望を受け、7月の音楽番組を辞退させていただいた経緯がございました。
8月に入り、待っていてくださる方々の為にも、落ち着いて考える時間を持ち、前向きな状況が整うまでグループ活動を暫く休むことを提案致しましたが、メンバー数名より「休むより解散したい」という希望が出たことを受け、苦渋の選択ではございますが、これまで一生懸命に走り続けた彼らの功績を尊重し、全員一致の意見ではないものの解散したいと考えるメンバーがいる状況でのグループ活動は難しいと判断し、本日の御報告となりました。25周年のコンサートやイベントを待ち望み応援してくださっているファンの皆さまのご支援とご期待に応えることが出来ず、本当に心苦しく、私共の力不足をお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。
本年を持ちましてSMAPは解散させていただくことになりますが、5人それぞれの所属が変わることはなく、より一層個人活動につきましては精進して参ります。
彼らの活動を、これまで同様温かく見守っていただけましたら幸いです。
今後ともご支援いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。株式会社ジャニーズ事務所
(引用元:Johnny’s net)
上記の解散報告は、締めくくりこそ前向きな言い回しで「見守って」くれるようお願いしているが、途中に出てくる「メンバー数名」「全員一致ではないものの」などの文言の裏には“事務所としてはグループを続けさせたいが、「メンバー数名」の意見の相違が原因で「全員一致ではないものの」、やむを得ず解散に至った”という後ろ向きな内情を小出しにした印象を受ける。
もちろん事務所としても事の経緯に全く触れないわけにもいかず、苦心の末そのような言い回しにせざるを得なかったとも取れるが、これだけのグループが解散するのだから、特定の誰かを連想させたり、事務所の本意ではないような言い回しをわざわざする必要もないと思う(デビュー25周年に向け、SMAPのために必死に動かれていたジャニーズ担当者にとっては当然、気の毒な話ではありますが)。
と、上記の「お知らせ」の内容がスッキリとしない印象を残すなかで、後続のスポーツ紙の報道からも意外な事実が明らかになってきた。
2016年8月15日付の「日刊スポーツ」によると…?
(以下引用)
15日付の日刊スポーツによると、ジャニーズ事務所は、先月下旬までに「来年以降のグループ活動休止」という結論を出し、木村、香取、稲垣吾郎(42)、草なぎ剛(42)の4人も、今月に入って休業案を受け入れていた。そのため、木村は妻の工藤静香(46)、2人の娘とともに、9日までにハワイ入りしていたという。
しかし、10日に香取、稲垣、草なぎと、スケジュールの都合で意思確認ができていなかった中居正広(43)が、ジャニー喜多川社長(84)に面会を申し入れた。
話し合いをする中で、香取が休業より解散を強く主張。草なぎ、稲垣も同調し、中居は3人の意思を尊重したうえで、解散を受け入れた。
(引用元:井上公造芸能)
SMAPは1月の“解散・分裂騒動”をなんとか収束させた後、再び関係修復に努めてきたが、そう簡単ではなく、結成25周年のコンサートなどに向けた動きへと進展することはなかったようだ。
そんなわけで「リオ五輪」などの仕事で多忙の中居以外の4人は、7月下旬までに「来年以降のグループ活動休止」の結論でまとまっていたという。
だからこそ、木村は家族で一足早い“夏休み”とばかりに家族でハワイへ飛んでいたようだ。
ところが「活動休止」についての意志を確認できていなかった中居と、香取、稲垣、草なぎが8月10日にジャニー喜多川社長に直々に面会を求め、香取が「活動休止」ではなく「解散」を強く要求し、これに草なぎ、稲垣、中居も同調し、ジャニー喜多川社長もこれを受け容れたという。
つまりこの時すでにハワイに居た木村と、それ以外の4人は面と向かって話し合いをせずに「解散」が決まり、8月14日未明に「解散」が報じられたことになる。
だが、この流れ自体にも違和感を覚える。
そもそも一度は「活動休止」の線で決まっていたとされる大事な話を、なぜ多忙とはいえ中居だけに意志確認が取れていなかったのかという点である。
そうしたグループの一番大事な方向性は、まずリーダーの中居を通した上で他のメンバーに確認を取るのが順番というものではなかったか。
さらに木村が「活動休止」の認識を持っていたからこそ8月10日以前にハワイに飛んでいたのだとすれば、逆に他の4人は木村が日本にいないことを知っていた可能性もありますし、その隙をついてジャニー喜多川社長との面談を申し入れたとも考えられる。
もちろん社長に直談判をする以上、決意を持って臨んだと考えられるだけに、話し合いをする中で「解散」の話が出てきたというより、最初から4人が「解散」する意志を持って臨んだと考えるのが妥当だと思われますし、仮に話の途中で思いがけず香取から「解散」の話が出たのだとすれば、中居もリーダーとして冷静になるよう仲裁に入ることもできたにもかかわらず、同調したとされる点からは香取の熱意に負けたというより、中居自身も「解散」を望んでいたと考えるのが自然な気がする(だいたい、そんな短時間の話し合いのうえに木村不在の場で、「活動休止」と「解散」の大きな二択において、4人が「解散」を押し通していること自体も事前に相当な決意がなければできない話だと思う)。
SMAPは1月の“解散・分裂騒動”の時から木村と他の4人との間に温度差があるようにみえましたし、その後の実際の関係性においてもその流れは続いていたか、あるいはより離れていった可能性はある。
とはいえジャニー喜多川社長は5月に行われたイベント後の取材でSMAPについて「心配は、全然ないです。解散なんて冗談じゃない」と断言し、25周年に向けても「(コンサートなどを)盛大にやるべきだと思う。萎縮したり、周りに遠慮したりする必要はない」と話していたのだ。
そのジャニー社長が8月10日に4人の話を聞き、「解散」を了承したのだとすれば、もはや社長ですらどうすることもできないほど木村と4人との間に決定的な亀裂が生じている裏付けにもみえる。
もしグループ内の遺恨が原因で解散するのだとすれば残念でならないが、決まってしまったものは仕方がない。
8月15日放送の「SMAP×SMAP(スマスマ)」(フジテレビ系)の冒頭では「昨日、SMAPの活動についての発表がなされましたが『SMAP×SMAP』の今後の対応につきましては近日中に視聴者の皆様に報告させていただきたいと思います。本日は予定通りの放送内容をお送り致します」と異例のテロップ(音声なしの静止映像)が表示された。「スマスマ」は今年で20年の長寿番組だが、胸中複雑なスタッフも少なくなかったに違いない。
そしてデビューから25年も支えてくれたファンのことも考えれば、メンバー5人が本音で話すことのできる場があってしかるべきだと思う。
5人はスポーツ紙面でそれぞれがコメントを寄せているが、感謝とお詫びに終始した感もある。
自らの言葉で本音を語ることがファンやスタッフに対するせめてもの誠意だと思いますが、そんな日は来るのでしょうか。
【追記】 2016年8月16日付の「スポーツニッポン」によると、「面談は6月上旬から個別で2度、5人全員を集めて2度」行われていたようです。
つまり8月10日に4人がジャニー社長に面会を申し入れ出した結論は、こうした一連の流れの上でのものだったと考えられます。
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