俳優・池松壮亮(24)が、映画にドラマ、CMと“八面六臂の働きぶり”と専らの評判だという。
池松は舞台でのハプニングにも動じぬ冷静さや、激しい演技にも堂々と渡り合えるたくましさを持ち合わせているほか、極寒の過酷ロケなどでもグチ一つこぼすのを聞いたことがないようで…?
池松壮亮(いけまつ・そうすけ)といえば、ドラマ「MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~」(TBS系&WOWOW、2014年4月期)でセキュリティ会社から殺人の依頼を請負う双子の兄・新谷和彦と、実行犯で弟の新谷宏美の二役を怪演したのが記憶に新しい。
(※WOWOWで放映済みのSeason2は、2014年10月期にTBS系で放送決定)
また池松がマラソンランナーに扮し「人生はマラソンなんかじゃない」「すべての人生が、すばらしい」とメッセージを伝える「リクルートポイント」のCM(2014年2月頃~)が印象に残っている方も多いのでは。
池松の今年に入ってからのブレイクぶりには目を見張るものがあるが、上記はその一部に過ぎない。
池松はなんと今年すでに「愛の渦」(3月1日公開、主演)、「大人ドロップ」(4月4日公開、主演)、「ぼくたちの家族」(5月24日公開)、「春を背負って」(6月14日公開)、「わたしのハワイの歩き方」(6月14日公開)と5本の映画が公開されたほか、今後も「海を感じる時」(9月13日公開予定)、「紙の月」(11月15日公開予定)、「バンクーバーの朝日」(12月20日公開予定)と3本の公開が控えている。
しかも、最近まで舞台にも出ていたというから凄まじい。
映画「愛の渦」の三浦大輔監督と再タッグを組んだ「母に欲す」(2014年7月10日~7月29日:東京・パルコ劇場、2014年8月2日~8月3日:大阪・森ノ宮ピロティホール)がそれで、池松は地元の郵便局に就職したしっかり者の弟役を演じたようだ。
“しっかり者”というからには単なる優等生役なのかと思いきやなかなか複雑な役柄だったようで、池松は激しい演技にも堂々と渡り合い、舞台上で起きたアクシデントにも冷静に対応するなど、若手らしからぬプレーをみせていたようで…?
(以下引用)
しっかり者という役柄の一方で、母親の葬儀に間に合わなかった兄と取っ組み合いのケンカをしたり、父親や後妻につっかかったりと、心身共に激しさを要求される場面もあった。
しかも兄役を務めたのは、舞台初挑戦のバンド「銀杏BOYZ」の峯田和伸。常に全力で演じる峯田は、父親と同僚のケンカをジャンプしながら仲裁に入る場面で、勢い余ってセットから落ちそうになることもあった。
そんな峯田を支えたのが、池松だ。峯田のズボンをガシッとつかんでセットに引き戻し、何事もなかったかのように芝居を続けさせるサポートを見せた。ガチンコ勝負の舞台はケガも絶えず、体は全身アザだらけだったと聞く。
(引用元:井上公造芸能「ギョーカイ噂の現場」中山治美)
池松の舞台での躍動ぶりはまさに質実剛健で、ひたむきさとたくましさを兼ね備えた好青年の印象も受ける。
彼はまだ24歳だが、この年でこれだけの立ち回りができる背景には、これまでの彼の生き方が深く関わっていそう。
実は池松は10歳のときに舞台「ライオンキング」の子役で芸能界入りし、13歳のときにハリウッド映画「ラストサムライ」で映画デビューするなど、意外にも幼少期から恵まれた路線を歩んできた。
だが彼はそんな幸運にもあぐらをかかず、子役時代から高校までは故郷の福岡に住み、俳優業と学業をジッと両立させてきたという。
ちなみに池松が卒業した福岡大学附属大濠高等学校は偏差値70の進学校で(情報元:高校偏差値ナビ、2014年現在)、彼は高校時代も子どもの頃から好きだった野球を辞めずに続けてきた(情報元:「日経エンタテインメント」2014年5月号)。
幼少期に「ライオンキング」や「ラストサムライ」に出演できたことは僥倖に違いなく、自身も周囲も舞い上がってしまいそうなところだが、彼は地元でじっくりと学問を学び(その後は日本大学藝術学部映画学科卒業)、部活にも明け暮れていたというから、それが血となり肉となり、今まさにその溢れんばかりのエネルギーを爆発させているといった印象も受ける。
池松の主演映画「愛の渦」(2014年3月1日公開)の撮影現場でも、彼の堂々とした立ち回りや粘り強さがいかんなく発揮されていたようで…?
(以下引用)
相手は、初の大役に挑んだ門脇麦。劇中では激しい濡れ場もある。当時、弱冠二十歳で何かと不安だったであろう門脇に対して、先輩らしくリードしていた。
ほか、撮影初日は三浦監督の粘りの演出で極寒の中、約5時間も外ロケを強いられたが、池松はグチをこぼすことなく耐えた。というか過酷な撮影の日々で池松の不平を聞いたことがない!ゆえに三浦監督の信頼は絶大なものがあり、続けて舞台への出演を依頼したのだろう。
(引用元:井上公造芸能「ギョーカイ噂の現場」中山治美)
「愛の渦」はR18指定の性をテーマにした映画で、若い池松なら気恥ずかしくもなりそうなものだが、オーディションでヒロインを勝ち取ったという若手女優・門脇麦をリードする余裕があったという。
また過酷な極寒ロケにもグチ一つこぼさない姿勢が買われたのか、池松はその後、先述の舞台「母に欲す」で三浦大輔監督と再びタッグを組むに至った。
「人生はマラソンなんかじゃない」という池松が出演した「リクルートポイント」のCMには、人生のゴールは皆同じではなく、様々な人生(ゴール)があってよいというメッセージを込められていそうだが、「人生はマラソンだ」という言葉のもともとの意味は、おそらく「人生は(短距離走ではなく)マラソンだ」という意味なのでしょうし、途中で挫折しても諦めてはいけない、途中で成功しても気を緩めては行けないという尺度で人生をとらえるなら、池松はそのこともよく理解しているのかもしれない。
「リクルート―」のCMのように様々な人生があってよいはずだが、そこには確実に積み重ねが存在することを今後も見失わず、邁進してほしいものです。
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