米国女子プロゴルフツアーで、44年ぶりの開幕2連勝の快挙を達成した宮里藍(24)。
だが渡米後数年は不調に陥り、一時は「もう勝てない」とまで酷評されたこともある。
それでも絶やさなかった笑顔の理由とは…?
幼いころから天才といわれ、プロ入り後も獲得賞金が1億円を超えるなど活躍が続いた宮里藍。
2006年から満を持して米女子ツアーに本格参戦したが、優勝は2009年の1度だけ。
大きな挫折を味わうなか、2010年に入り開幕2連勝の劇的復活を遂げた。
こうした様々な浮き沈みの中で、宮里が経験してきたという知られざる“苦しみ”とはどのようなものだったのか…?
(以下引用)
当時、宮里家は決して裕福ではなかった。父親の毎月の給料は生活費に消え、ボーナスは子供たちの学費に消えた。貯金はいつもほとんどゼロ。
そのため練習は市営運動場を使った。ゴルフに適さない赤土のグラウンドでスイングを繰り返した。ボールは傷だらけのロストボール。1本1万円以上するクラブはもちろん買えず、子供たちは安売りの1本1000円のクラブで練習を重ねた。宮里のハングリー精神の原点はここにある。
その宮里がジュニア大会で頭角を現し始めたのは小学6年生のときだった。マスコミにもたびたび取り上げられ、そのために彼女は学校でいじめのターゲットになった。そしてある日、彼女は父の枕元に手紙を置いた。
「いじめがつらくて、学校に行きたくない」
娘の悲鳴に、父親はこんな手紙を返したという。
≪親から見て、藍は素敵な娘です。でも相手が受け入れてくれなければ、それは仕方がないことです。大学を出るまでに、藍のよさをわかってくれる友だちを見つければいいんだよ。そんな友だちが10人もできれば、たいしたものです≫
(引用元:女性セブン)
安価のクラブやボールで培ったハングリー精神が、現在の宮里を支えているようだ。
またいじめもあったようだが、家族の支えが大きく、無事クリアした。
史上初となる高校生でのプロ入りを果たした宮里だが、この後さらなる困難が待ち構えていたようで…?
(以下引用)
「更衣室に置いてあった藍ちゃんのゴルフ用の傘の骨が折られていたり、藍ちゃんが握手しようと近づいても気づかないふりをして拒否する選手がいたり。ランチもひとりのことが多かったですね。名前こそ出さないけど明らかに藍ちゃんを指して、“へそ出しルックはいかがなものか”と書かれた紙がこれみよがしに更衣室に貼られたこともあったそうです」(前出・ゴルフ関係者)
それだけではない。宮里の顔からスマイルが消えた事件があった。’05年に行われたある大会直前、沖縄の実家に1通の脅迫状が届いたのだ。
「プレー中に硫酸で危害を加えるというもので、当日ゴルフ場では数名の私服警官が警備にあたりました」(テレビ局関係者)
つらい状況に心が折れそうになるたびに、宮里が思い返したのは父からの手紙だった。
(引用元:女性セブン)
人当たりのよさそうなあの宮里が、プロ入り後も嫌な目に遭っていることに驚いた。
“へそ出し”には賛否両論あるのかもしれないが、プレー中に使用される傘を折ったり、硫酸で脅迫したりすることは、選手を精神的に追い込むもので極めて悪質だ。
それでも以前、いじめに遭った際にもらった父の言葉を支えにして、宮里はさらに階段を上った。
2006年に渡米し、米ツアーに本格参戦を果たしたのだ。
しかし、待っていたのはスランプだった。
芝の違い、体格の違いなどに苦しみ、泣きながら大会を途中棄権したこともあったそう。
さらに円形脱毛症ができるほど追い込まれたという宮里だったが、あるコーチの出現が光明を見いだしたようで…?
(以下引用)
彼女が提唱する「ビジョン54」…54とは全ホールをバーディーで回ったときのスコア。そんな神業を目標とすることで、自らの限界を打ち破るという方法論だ。宮里は’08年、ピアさんと契約を結んだ。
ピアさんのトレーニング法は、その球が曲がろうが、まっすぐに行こうが、打つということにのみ集中しようというもの。たとえば過去と未来は自分ではコントロールできない。できるのは次の1打だけで、それに集中しようという取り組みだ。
そして宮里は素振りをやめた。すると、スイングに迷いがなくなった。またピアさんは、宮里のラウンドについて回って、打つごとに“ハッピーか?”と聞いた。つまりミスをしても平常心でいるかを確認していたのだ。
(引用元:女性セブン)
かつての賞金女王、アニカ・ソレンスタムを指導したメンタルコーチ・ピア・ニールソン氏との出会いが、宮里をさらに進化させた。
契約は2008年からとのことで、2009年の初優勝と2010年の開幕2連勝に結びついているのは間違いなさそう。
そんな宮里は、米ツアー2連勝を受けて凱旋帰国した。
3月5日に始まった日本女子プロゴルフツアーの開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」に出場中だ。
地元・沖縄で開催されていることに加え、日米開幕戦Vとなればさらなる快挙といえる。
それでも良いときも、悪いときも、次の一打に集中する宮里に慢心の陰はみられない。
結果を恐れず、雑音にひるまず進む宮里のさらなる飛躍に期待したいと思う。
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