お笑い芸人・ヒロシ(43)が2015年9月に発売した日めくりカレンダー「まいにち、ネガティブ。」がジワジワと売れており、年内にも10万部に届きそうな勢いだと、12月3日発売の「週刊文春」が報じている。
その背景には元プロテニス選手・松岡修造(48)が昨年発売し、100万部を突破した日めくりカレンダー「まいにち、修造!」のヒットがあるようだが、その“アンチテーゼ”にみえるヒロシのカレンダーも意外と癒されるようで…?
ヒロシといえばイタリア映画「ガラスの部屋」の主題歌をバックミュージックに、“ホスト風”の出で立ちで(実際、東京都三鷹市で3年間ホストをしていた経験がある)、ポケットに手を突っ込み上目使いで「ヒロシです」と名乗り、うつむきながら九州弁で(熊本県出身)、自身の日常や失敗談を題材とした“自虐ネタ”を披露する芸風で、2004年~2005年頃を中心に大ブレイクした。
だがブームは長続きせず、近年では“一発屋芸人”のくくりに入れられてしまうこともしばしば(一発当てるだけでもすごいことですが…)。
それでもブレイク時に上梓したお笑い作品集「ヒロシです。」(2004年9月30日発売)が30万部のヒットを記録しているほか(続編の「ヒロシです。(2)」(2005年4月16日発売)も12万部以上売れた。情報元:ウィキペディア)、2015年6月29日放送のバラエティ番組「しくじり先生 俺みたいになるな!! 3時間スペシャル」(テレビ朝日系)にゲスト出演した際には、絶頂期の最高月収が4,000万円だったことを告白し、世間を驚かせた。
(※年収ではなく月収。これまでは400万円だと言っていたそうです)
これを聞くとこれまでのリリース本やDVDなどの印税収入なども含めれば今後細々と生活していく分には全く困らないと思われるが、ヒロシには何せネガティブで“自虐的”なイメージが付きまとうだけに、現在は本当に仕事がなく困っているのか、それとも意外と“一発屋”として仕事には困っていないのか、実際のところはよくわからない。
それでも毎日のようにテレビに出ている売れっ子と比べれば仕事がないのは歴然だろう。
そんなヒロシに今、追い風が吹き始めているという。
2015年9月に発売した日めくりカレンダー「まいにち、ネガティブ。」の売れ行きがジワジワと伸びてきているようで…?
(以下引用)
「(前略)ネット告知中心でしたが、口コミが拡大し、すでに五万部を超えている。年内にも十万部に届きそうな勢いで、日めくりカレンダーブームに拍車をかける存在になっている」(情報誌記者)
〈消えそうな芸人ランキングからも消えました ヒロシです〉と表紙に書かれたこのカレンダーは〈ピンチはピンチでしかない〉〈久しぶりの友だちからの電話は……疑え!〉〈モテない人は、やせてもモテない〉などと、ネガティブな言葉が日ごとに掲載されている。
(引用元:週刊文春)
“日めくりカレンダー”といえば常にポジティブで熱いイメージのある松岡修造がその語録をまとめ、昨年発売した「まいにち、修造!」が100万部の売り上げを記録したことが話題となり、今年も続編となる「ほめくり、修造!」を発売したほど。
さらには、この“日めくりカレンダー”ブームにあやかろうと、同じく“ポジティブキャラ”として知られるNON STYLE(ノンスタイル)・井上裕介(35)も「まいにち、ポジティヴ!」を2015年3月10日にリリースするなど、有名人の意外な語録が昨今カレンダーとして脚光を浴びている。
そうしたなか、このブームを逆手に取るかのようにこれまで数々の“ネガティブ語録”を世に出してきたヒロシが、それらをまとめたと思われる“日めくりカレンダー”「まいにち、ネガティブ。」を発売した。
内容は見てみないことにはわからないが、そもそも「ヒロシ」という言葉の響きそのものがいかにもわかりやすく売れていないホスト像を連想させるとともに、どこか哀愁さも漂う絶妙さもあり、そのホスト風の風貌も絶望感に打ちひしがれた男のイメージとしてすでに定着している効果は大きいと思う(“一発屋”といわれる人たちの凄さは、風貌も含め記憶に残っていることでもあるんですよね)。
ヒロシはアドリブやトーク力等で勝負しなければならないバラエティ番組などで活躍するのは難しかったのかもしれないが、もともとネタには定評があったわけですし、先述の通りすでに定着した“不幸なイメージ”と“活字”との相性は良いと思われるだけに“日めくりカレンダー”ブームの到来は渡りに船だったかも。
それもヒロシが紡ぎ出す言葉は、風貌はホストっぽいのに身近な内容ばかりで、普通の人が聞けばこんなにも悩んでいる人がいるんだと逆にホッとしてしまう視点にまでハードルが下がっているところに妙な説得力と滑稽さを伴い、笑いが生まれているような気がする。
例えばヒロシのネタには「ヒロシです…。タッキー&ヒロシ…言ってみただけとです」や、「ヒロシです…。ファブリーズが利きません…」などがあるが、これはヒロシだからこそジワジワと利いてくるのであり、しかも普通の人が聞いて不快な思いをするような“ネガティブさ”ではなく、なんとなくありそうでないような絶妙なラインの“不幸話”だから笑えてくる。
松岡修造の熱いメッセージが強烈なストレートパンチだとすれば、ヒロシのネガティブメッセージは何度も聞いていれば利いてくるようなボディブローのようなパワーがあるのかも…?
(以下引用)
「(前略)松岡のポジティブな“人生の応援歌”は元気になれますが、正直、疲れもします(笑)。
一方、その“アンチテーゼ”として登場したのがヒロシのカレンダー。徹底したネガティブですが、実に的を射ていて、『なぜか癒される』と評判です」(出版関係者)
(引用元:週刊文春)
ポジティブとネガティブは意外と表裏一体なのかも。
例えば「頑固だ」と言われればネガティブに聞こえるが、「意志が固い」と言われればポジティブにも聞こえる。
要は物は言いようですし、松岡修造もヒロシも聞いてみれば同じことを言っているのかもしれない。
これはもう松岡修造の「まいにち、修造!」(あるいは「ほめくり、修造!」)と、ヒロシの「まいにち、ネガティブ。」を両隣において毎日日めくりして比べてみるしかない…?
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